
CLANNADを語るうえで、音楽を抜きにすることはできません。麻枝准・折戸伸治・戸越まごめらKey Sounds Labelの面々が紡いだ旋律は、物語の感動を何倍にも増幅させ、聴くだけで名場面が蘇る「記憶装置」としてファンの心に住み続けています。本稿では、CLANNADの音楽世界を代表曲とともに辿ります。
オープニングテーマ「メグメル」(歌:eufonius)は、透明感のあるボーカルと幻想的なアレンジで、これから始まる「長い坂道」の物語を予感させます。アニメ版では「メグメル 〜cuckool mix 2007〜」として再編曲され、放送当時の視聴者に強烈な第一印象を残しました。
エンディングテーマ「だんご大家族」(歌:茶太)は、本作を象徴する一曲です。渚が愛してやまない「だんご大家族」を歌ったこの童謡のような楽曲は、単なるエンディングにとどまらず、物語終盤では登場人物たちの想いを繋ぐ重要なモチーフとして機能します。素朴な旋律に込められた「家族」への祈りは、After Storyを見届けたあとに聴き返すと、まったく違う響きを帯びるはずです。

ピアノとストリングスが静かに寄り添うBGM「渚」は、ヒロイン古河渚のテーマであると同時に、作品全体の主題歌でもあります。この旋律は「潮鳴り」「Ana」など複数の変奏として全編に散りばめられ、聴き手の無意識に「渚の物語」を刻み込みます。ライトモチーフをここまで徹底したギャルゲー原作アニメは稀有でしょう。

「幻想」――幻想世界のパートを彩る、浮遊感のあるアンビエント。
「影二つ」――After Story終盤、雪の別れの場面を支える鎮魂歌。
「TOE」――Tomorrow’s Everlasting... 朋也の再生を告げる長尺の組曲。
「小さな手のひら」――riyaが歌う、After Story最終回を締めくくる祈りの歌。
だんご だんご だんご だんご だんご大家族――
口ずさむだけで涙腺が緩むという人も多いこのフレーズ。CLANNADの音楽は、物語と分かちがたく結びついた「もうひとつの脚本」です。サウンドトラックを手に、あの町の風景をもう一度歩いてみてはいかがでしょうか。